Seiichi Furuya + Robert Frank + Nadar 2010年5月20日
友人ミカさんの誘いを受けて、東京都写真美術館のレセプションに伺う。
1985年に奥さんのクリステーネさんを失ってから、25年。
共に過ごした7年間の出来事を、何度も繰り返し編集し見続けてきた古屋さん。
愛する女性の様々な姿と小さな息子、それをそばで見続けた一人の男の記録。
幸せな家族の光景も、文脈からは切り離すことはできず、
どれも痛々しい悲しみを帯びる。これが最後の『メモワール』になるらしい。
10年程前一度、NYで小林紀晴さんと共にお会いした古屋さん。
体調悪く帰国できなかったようで、ご回復を祈りたい。
会場では邑元舎の元村和彦さんとも嬉しい再会。
以前、お話を伺っていたロバート・フランク作品集 “THE AMERICANS, 81 contact sheets”
が完成されたようで、数枚のプリントを見せていただいた。桐の箱に入れられた81枚の
拡大されたコンタクトシート。買えないとは思うけど、全部見てみたいな。
http://www1.parkcity.ne.jp/yugensha/81cs.html
3F 『侍と私』と称された企画展では19世紀の歴史的ポートレイトが並ぶ。
パリで大きなスタジオを構え著名な芸術家や文化人をとっていた世界最初の肖像写真家ナダール。
1864年、遣欧使節団として海を渡った侍や随行女性を撮影している。
ナダールは甲冑(かっちゅう)姿のちいさなサムライをどう思ったんだろうな。
その後、日本は少したって刀とまげ、袴を捨てた。
21世紀の僕らの生活もかなり変化しているけど、
江戸から明治への社会変化はすごいものだったんだろうな。
Takashi Owaki